女将のレストラン、マナー講座

この頃同じ日本人として恥ずかしくなるようなマナーの方をたまにレストランで見かけるので ニューカレドニアのレストランでの一般常識上やマナーについての講座を作りました。 ニューカレドニアは観光地と言うよりも現地の人の生活の中にとけ込んでバカンスを過す ヨーロピアンタイプのリゾートです。 レストランに食べに来る人たちも観光客より地元民が多いのが通常です。 バカンス中とはいえ、日本人として恥ずかしくないだけのマナーは身につけましょう。

また、よく質問されるフランス料理でのマナーについても幾つか載せてみましたので 参考になればと思います。

  

営業時間
ニューカレドニアのレストランは、ハンバーガーショップのようなところでも お昼休みを設けているのが一般的です。 ランチは11:00ぐらいから14:00まで、ディナーは19:00ぐらいから ラストオーダー21:30ぐらいまでと言うのが一般的です。 旅行先でタイムテーブルが狂っているせいかランチを食べ損ねる方を多く見かけます。 また、夕飯に出てきた時間が早くて準備中のレストランを見てもう閉まってしまったと 勘違いされる方も多いので気をつけましょう。
定休日はレストランによって違いますが、日曜日や月曜日を定休日にしている店が多いようです。

予約について
ランチタイムは人気のレストラン以外は予約をしなくても大丈夫ですが、 絶対にそこで食べたい場合は予約を入れると良いでしょう。

ディナーの場合は行きたいレストランが決まったら、 ホテルのフロントやツアーデスクで予約の電話を入れてもらうのがスマートです。 月曜日や火曜日といった週の初めなら満席になることはまず無いと思いますので、 どうしてもレストランが決まらない場合は早めの時間なら直接行っても大丈夫だと思います。 但し週末、バレンタインデー、クリスマス、大晦日、元旦等の日は特にローカルで満杯になりますから、 早めの予約が必要です。

服装について
ハンバーガーショップと昼間のテラスレストラン以外の場所では、 基本的にビーチサンダルに短パンのようなビーチに行くような格好では行かないことをお奨め致します。
ではどんな服装なら良いのか?簡単に言うと、レストランで食事をするのに恥ずかしくない格好 と言うことになります。完全な観光地ではないニューカレドニアは何処のレストランにも地元民が 沢山います。地元民はレストランにそれなりの格好をしてきますので一緒の空間にいておかしくない 格好が好ましいです。
昼間ならあまり格式張った格好はしなくても大丈夫。 たとえTシャツにジーパン、スニーカーでも高級フレンチ以外なら大丈夫でしょう。

ディナーの場合、高級フレンチレストランなら男性は襟付きのシャツに長ズボン、 革靴が良いでしょう。ジャケットやネクタイは必要ありません。 また、半袖シャツでもかまいません。女性は思いっきりお洒落な格好をしていきましょう。

それ以外のレストランでは男性の場合、やはり出来たら襟付きのシャツ (ポロシャツでもかまいません)に長ズボン(ヨレヨレでなければジーンズでも大丈夫でしょう)。 革もしくは人工皮革の靴がベターですが、デッキシューズのようなものでもかまいません。 やはりジャケットやネクタイはいりません。
女性の場合は、やはりお洒落な格好で。ワンピースを着ていても足下はゴム草履なんて格好は あまり好まれません。靴はサボやミュールのようなものでもかかとがある靴ならかまわないでしょう。 服はブラウスにスカートでもパンツルックでも サンドレスでもワンピースでもよそ行きの格好なら OKです。

着物や浴衣(ゆかた)に関する質問をたまに受けます。 浴衣は基本的に日本でもラフな格好に入る服 (下駄履きでのレストランの出入りを禁止する場所は日本でも多いはずです)ですので、 昼間の時間帯で着たり夕方のお散歩には適切ですが、 ディナーの席には浴衣ではなく着物を着ることをお奨め致します。

レストランで着席してからもキャップを被ったままだったり、 リュックや肩掛けバッグを提げたままの方をたまに見かけますが、 席に座ったらなるべく帽子を脱ぎ、バッグはイスに掛けたり置いたりするか、 床に置くようにしましょう。テーブルにバッグを置くことは避けましょう。

現状として一部高級フランス料理店以外はホテルのレストランでも厳格なドレスコードはなく、 不景気の折から海に行くような格好の人でも受け入れています。 が、もちろん席は末席に通されますし、十分なサービスも受けられません。

注文について
注文が決まったら、「注文が決まりました」と言う合図代わりにメニューを閉じて待ちましょう。 一人でもメニューを開いている人がいると、なかなか注文を取りに来てくれませんのでご注意を・・・

ワインのテイスティングについて
私も昔はテイスティングなんて言うとちょっと緊張していました。 また、恥ずかしいことに味見をしてみて気に入らないワインだったら変えられるのかと思っていました。

本来は目の前で開けたワインが腐っていないか確かめるための作業なのです。 基本的には酸化防止剤が入っているので大丈夫なのですが、 コルクの具合などによってたまに良くない物があるそうです。 ワインを開けた人にはコルクをぬいた瞬間にだめかどうかが分かるようですので、 実際にはだめな物があったときなどテイスティングをするまでもなく取り替えてくることが多いようです。 と言うことで、テイスティングは気軽に行いましょう。

普通はワインを選んだ人がテイスティングをすることが多いようです。 我が家では女将がワインを選ぶことが多いので、私がテイスティングをします。 前述したように、気に入らないからとワインを変えたときは2本分の値段を請求されますので、 気をつけましょう

パンについて
ニューカレドニアのレストランでは、高級フレンチレストラン以外ではパン皿が 出てくることが少ないです。パン籠からとったパンはそのままテーブルに置いてかまいません。 食べるときは一口ずつちぎって口に運びます。バターが出ていなくて欲しいときは、 頼めば出してくれます。
因みにパンは必ずただで出すように法律で義務づけられています。お変わりが欲しいときは 遠慮せずに頼みましょう。

エスカルゴの食べ方
左手のホルダーで殻をはさみ、専用のフォークで身をとり出して食べます。 汁も美味しいですから、殻を手で持って直接吸ってもかまいません(音は出さないように)。 また、パンなどに付けて食べても美味しいです。

シーフードの食べ方
ニューカレドニアに来て一度はシーフードプレートを食べる方が多いと思います。 シーフードプレートを頼むと色々なソースが出てきてどれを何につければよいか結構悩むところです。

・生牡蠣の食べ方
生牡蠣は左手で殻を押さえ、専用のフォークかナイフで貝柱を切り、身をすくいとって食べます。 一般的には添えてあるレモンを搾ったり、エシャロット入りのワインビネガーソースを垂らして食べます。 牡蠣のヒダのところにレモンを搾り掛けてヒダが縮めば新鮮な証拠です。

・伊勢エビの食べ方
伊勢エビのゆでた物は左手で頭の部分を押さえ、ナイフで身を取り出していただきます。 頭を押さえたら、背のほうから殻に沿ってナイフを入れ、身をはがします。 フォークで刺してお皿の手前に身をすっぽりと取り出し、一口大に切って食べます。 茹でた物の場合、一般的にはマヨネーズをつけて食べます。

・エビの食べ方
テーブルにフィンガーボールが出ている場合は、手で剥いて食べましょう。 フィンガーボールがない場合やソースで絡めてある場合は、まずナイフで頭と胴体を切り離し、 胴体をフォークで刺して足の部分をナイフで切り落とします。 その後切り落とした部分にフォークを刺し直して、ナイフで皮を剥いていきます。 茹でた物の場合、一般的にはマヨネーズをつけて食べます。

・カレドニア・クラブ
季節によっては、カニがシーフードプレートにのってくることもあります。 実を取り出してから、マヨネーズやマスタード入りドレッシングをかけていただきます。

肉料理の食べ方
日本の柔らかい牛肉を食べ付けているとニューカレドニアの牛肉はとてつもなく 硬く感じられるかもしれませんが(飼育方法が違うため)、 挑戦してみたい人は頑張って食べてみて下さい。 牛肉のステーキを頼むと必ず焼き加減を聞いてきますので、 自分の食べたい焼き加減をハッキリと言いましょう。
生に近い焼き方(レア)=Saignant(セニオン)
中ぐらい(ミディアム)=apoint(アポワン)
良く焼く(ウェルダン)=bien cuit(ビアンキュイ)
となります。大抵は英語で言っても分かると思いますが、 フランス語で言ってあげると喜ばれます。

ニューカレドニアではブロシェット(串焼き)料理も良く出てきます。 左手で串を持ち、フォークで肉を押さえたら串を回しながら肉を抜くと旨く抜けます。

デザート
メインを食べ終わってお皿を下げると「デザート?」と聞かれます。 「ウィ、シル・ブ・プレ」と答えると、デザートメニューを持ってきます。 デザートだけで、コーヒーなどの飲み物を頼まなくても、またその逆でも大丈夫。 辛党の旦那は女将がデザートを堪能しているときにアイリッシュ・コーヒーや 食後酒のブランデーなどを頼んで飲んでいます。

その他テーブルマナー
・ナイフとフォークについて
ニューカレドニアのレストランではよっぽど高級なレストランでない限り、 両脇にナイフとフォークがずらりと並んでいてどれから使うか分からないと言うことはありません。 基本的に2本ずつ並んでいたら小さい方が前菜用、大きい方がメイン用です。

食事の途中でナイフ、フォークを置く場合は、お皿に対してカタカナのハの字のように置きます。 量が多くてもう食べられないときも含めてもう終わりにしたい場合は、フォークを上向き、 ナイフの刃は自分の方を向けて両方を揃えてお皿に置きます。 これでウェイターへの合図となり、お皿を下げてくれます。

食事をするときに良くテレビなどでも芸能人がフォークの背に料理を乗せて食べていたりしますが、 これは全くの間違いです。お肉や野菜などフォークで刺せる物は刺して、 ご飯粒やマッシュポテトのようにフォークに刺さらない物は、 フォークの背に乗せたりせずに腹の部分できちんとすくって食べましょう。 背に乗せてポロポロとこぼす方がよっぽど格好悪いです。

・グラスについて
テーブルに着くと大小二つのグラスが置いてあります。見た目は両方ともワイングラスですが、 赤ワインを頼む人が多いニューカレドニアでは置いてあるグラスの小さい方がワイン用。 大きい方はお水用に使用します。高級レストランで高いワインを頼むと、 そのワインにあったグラスと交換してくれることもあります♪

・喫煙について
ニューカレドニアは喫煙天国と入っても過言ではありません。 非喫煙者にとっては辛いところではありますが、 一皿の途中でなければ前菜とメインの間などに灰皿があれば吸ってもかまいません。